Clásicos japoneses con furigana
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ピストルのつかいかた
ピストルの使い方
泉 鏡花
Lee ピストルの使い方 (ピストルのつかいかた) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.100 caracteres · 78 pantallas
ああ、御新造さんの面影はもう見えません。近常さんは、はッと涙をお流しなすったそうですが、もうただ悲しいばかりの涙じゃアありません。可懐い、恋しい、嬉しい、それに強さ、勇ましさもまじったのです。どうしてって言えばね、雪をつかねた鶏の鳥冠が、ほんのりと桃色に染りましたって、日の昇り際の、峰から雲に射す影が映って彩ったんです。
濃い紫に光るのは、お月様の御堂の棟。
――その頃は、こんな山の、荒れた祠ですもの。お住持はなくて、ひとりものの親仁が堂守をしていましたそうです。降りつづいた朝ぼらけでしょう。雀わなじゃアありません。いろ鳥のいろいろに、稗粟を一つかみ、縁へ、供養、と思って、出て、雪をかついで雪折れのした松の枝かと思う、倒れている人間の形を見つけて、吃驚して、さらさらと刻んで飛ぶと、いつもお参りをかかしなさらない、顔馴染の近常さん。抱いて戻って、介抱をしたあとを、里へ……人橋かけるじゃあなし、山男そっくりの力ですから、裸おんぶであっためながら、家へお送りはしたそうですが、それがもとでお亡くなりは、どうもぜひない事でしたわね。
……ああ、また聞こえました、その時の鶏の声。