Clásicos japoneses con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lee ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 129.411 caracteres · 263 pantallas
僕の顎はたちまち干上ってしまいます。そこで僕は涙を呑んで野呂の言い分をいれた。額だけは一割に値切ったが、それでも千二百円ということになります。忿懣を胸に蔵して僕は月末毎に千二百円を手渡すのです。
しかし今考えると、これらは単に野呂のケチンボ根性からだけではなく、僕に対する嫌がらせの意味も充分にふくまれていたらしい。そう僕は思います。すなわち野呂は不破から家を買うために手付けを置いた。手付けを置いた以上は、この家の権利は自分にある。ところが僕の方は初めから間借人である。そういう心理からどうしても彼はぬけられないし、また頑強にぬけ出そうとしないのです。だから彼は心の奥底では、僕を間借人または居候視していて、嫌がらせすることによって僕を追い出そうと試みているのではなかろうか。どうもそんな風に思われます。僕の側からすれば両人とも四万円ずつ出したのだから、家に関しては同等の権利を持つべきだと思うのですが、野呂はそう考えたくないらしい。それに彼は一軒の独立家屋を所有することに異常な熱意を示しており、時々そういうことを僕に洩らしたこともあります。一軒の家を自分のものにして、田舎から老母を呼び、そして適当な相手を見付けて結婚したい。