Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lee 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.990 caracteres · 141 pantallas

Aozora Bunko

仲々それも一寸見は分らないようにやるんだから危いんだ。――水も洩らさない。何んにも知らない百姓は、んだからウマウマと、そのからくりに引懸かってしまうんだ。」

「面倒だて!」――伴は日焼けした顔を大げさにしかめた。「仲々な!」

「はがゆくてもよ、豆粒みたいによ、俺達のどこさよ、一人一人よ、殖やして来るんだな。」

「何アんでも一人じゃ脆いもんじゃ。」――畑か田のことより知らない、歯の抜けている四号の茂さんが(!)そんな事を云う。

農民組合の荒川さん

表で犬が吠えた。

「荒川さんだべ。」――阿部が立って行った。

「や、失敬失敬。」

そう云って、ズックの鞄をドサリと投げ出した。痩形の、少し左の肩が怒っている二十二三の人だった。髪を長くしていた。

「ご苦労さまでしたな。」

「イヤ、イヤ。」

荒川は上ってくると、「ヤア。」と云って、元気よく皆に頭を下げた。そして真黒に汚れた手巾で、顔から首をゴシゴシこすった。

「作は悪いね。――今年はこれア大したことになるね。」

「岸野さんがドウ出るか……。」

「どう出るかって?――」

後は笑談のように笑いながら、

「そんなこと岸野の農場で十年も小作をしていれば、もう分ってもいい頃だろう――なア!」