Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ここのつのかぎ

九つの鍵

野村 胡堂

Lee 九つの鍵 (ここのつのかぎ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.349 caracteres · 42 pantallas

Aozora Bunko

妹の命

「何んだ、白いものが付いているじゃないか」

三郎が拾い上げると、石はヒョータン形にくびれた長目のもので、その中ほどにひもで結えたのは、ノートをちぎったらしい一枚の紙片です。

「手紙じゃないか」

誠一も馬吉も幸子も、好奇心でハチ切れそうになって覗くと、文句は万年筆で書いたたった三行、

愛子の命を助けたかったら、九つの鍵をそろえて渡せ、期限は一週間、返事は居間の窓にはり出せ

K

と書いてあるではありませんか。

妹の命

「どうする? 君」

照国の誠一は、心配そうな顔を挙げました。

「どうしようもないよ、九つの鍵の隠し場所はこっちも知らないのだ」

「すると?」

「先に見つけた者が勝つことになるだろう」

一代の傑物、狩屋三右衛門翁が、智恵を絞って隠した九つの鍵が、そう簡単に見つかるはずもありません。

「相手がしゃくだが、競争となればフェアー・プレーで行こう」

照国の誠一は、悪者と四つに組む気でいるのです。

「よしよし、ともかくこっちの態度を明かにしておこう、――愛子の命だけは護らなければならない」

狩屋三郎は製図用のケント紙を一枚持ち出して、毛筆にインクを一パイに含ませ、

九つの鍵は祖父が智恵を傾けて隠したのだ、ぼくも愛子もその隠し場所を知っているはずはない、そっちで探しているようにこっちでも探しているのだ、卑怯なことは止せ