Clásicos japoneses con furigana
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
Lee 二つの (ふたつのじょぶん) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 115.903 caracteres · 236 pantallas
分析の結果から言えば鉄分が多いためといわれるかもしれないが、この岩の基調の色は、紫を含んだ代赭に似ている。
岩の割れ目からは、かすかに蒸気が漏れている。そういう割れ目の端は、特に鮮明な多彩の色に縁どられ、濃い紫と輝く黄色と鶏冠石の朱とに飾られて、螺鈿をちりばめたように妖しく美しい。黄は硫黄の結晶であろう。朱の色は砒素の蒸気によって本統に鶏冠石が生まれて来ているのかもしれない。そういえば、孔雀石の青緑を思わす鮮かな色彩も雑っている。手を触れてみると、岩はまだ熱い。
この妖しく美しい岩石の原を前景として、濛気の隙間から、紫色に黒く円頂丘の大岩塊が、すぐ眼の前に見上げるばかりに聳えている。真白い噴煙が、その円頂丘の脚下から頂上まで、到るところから非常な勢いで吹き出されて、この大岩塊をつつんでいる。地を轟かして響く鳴動は、しばしの休みもない。噴煙が左右に揺れる隙間から、時々岩の割れ目が見える。双眼鏡を眼にあてたまま待っていると、噴煙の靡く隙に、その割れ目が黒く浮き出して来る。割れ目の奥は暗く、その底に真紅の熔岩が光って見える。その火の色を見ていると、何だか自分が現実に地球の奥を覗いているような気持になる。