Clásicos japoneses con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lee 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 113.429 caracteres · 227 pantallas
小ツルがかわって、
「マッちゃん、行かんいうて、はじめ、庭の口の柱に抱えついて泣いたん。マッちゃん家のお父さんがよわって、はじめはやさしげにすかしたけんど、なかなかマッちゃんがはなれんので、あとは頭にげんこつかましたり、背中をどづいたりしたん。マッちゃん、おいおい泣いてみんなが弱っとった。よろずやのばあやんが、ようやっとすかして、得心さしたけんど、みんなもらい泣きしよった。わたしも涙が出てきて弱った。途中まで、みんなと見おくっていったけんど、マッちゃん一口もものいわなんだ。なあコトやん。そいで……」
きゅうにハンカチを顔にあてて、くっくっと泣きだした先生におどろいて、小ツルはだまった。いつのまにか早苗やマスノもよってきて、片手にひょうたん籠をもったまま、うつむいてハンカチを目にあてている先生を、うたてげに見ていた。みんなの目にも、さそわれた涙がもりあがっていた。
そのあともしばらくは、窓ぎわの前から三番目の松江の席はあいたままおかれてあったが、あるとき、その、松江のたった一日すわった席に先生はだまって腰かけていた。そのあとすぐ席の組みかえがあって、その列は男の子になった。