Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lee 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 113.429 caracteres · 227 pantallas
一本松の村までには幾つかの町や村の、たくさんの部落があった。大小のその村むらをすぎては迎え、すぎてはまた迎え、あきるほどそれをくりかえしても、一本松はなかなかこなかった。岬の村からみれば、あんなに近かった一本松、目の前に見えていた一本松、それが今は姿さえも見せない。八キロ、大人のいう二里の遠さを足の裏から感じだして、だんだんだまりこんでいった。行きあう人の顔も、見おぼえがなかった。まるで遠い国へきたような心細さが、みんなの胸の中にだんだん、重石のようにしずんでいく。
もう一つ、はなをまわれば一本松は目の前にながめられることを、だれもしらないのだ。きいてもらちのあかぬ仁太にきくことも、もうあきらめてしまって、ただ前へ前へとひと足でも進むよりほかなかった。竹一とミサ子はまっさきにぞうりをきらし、きれぬ片方をミサ子にやって、竹一ははだしになっていた。吉次も正もあやしかった。だれも一銭ももっていないのだ。ぞうりは買えるわけがない。はだしで帰らねばならないだろうことは、歩いてきた道の遠さと考えあわせて、ぞうりのきれかけたものの気持はよけいみじめだった。
とつぜん、コトエが泣きだしてしまった。