Clásicos japoneses con furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lee 二百十日 (にひゃくとおか) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.466 caracteres · 60 pantallas
「おおおい」
「おおおい。どこだ」
「おおおい。ここだ」
「どこだああ」
「ここだああ。むやみにくるとあぶないぞう。落ちるぞう」
「どこへ落ちたんだああ」
「ここへ落ちたんだああ。気をつけろう」
「気はつけるが、どこへ落ちたんだああ」
「落ちると、足の豆が痛いぞうう」
「大丈夫だああ。どこへ落ちたんだああ」
「ここだあ、もうそれから先へ出るんじゃないよう。おれがそっちへ行くから、そこで待っているんだよう」
圭さんの胴間声は地面のなかを通って、だんだん近づいて来る。
「おい、落ちたよ」
「どこへ落ちたんだい」
「見えないか」
「見えない」
「それじゃ、もう少し前へ出た」
「おや、何だい、こりゃ」
「草のなかに、こんなものがあるから剣呑だ」
「どうして、こんな谷があるんだろう」
「火熔石の流れたあとだよ。見たまえ、なかは茶色で草が一本も生えていない」
「なるほど、厄介なものがあるんだね。君、上がれるかい」
「上がれるものか。高さが二間ばかりあるよ」
「弱ったな。どうしよう」
「僕の頭が見えるかい」
「毬栗の片割れが少し見える」
「君ね」
「ええ」
「薄の上へ腹這になって、顔だけ谷の上へ乗り出して見たまえ」