Clásicos japoneses con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lee 人外魔境 (じんがいまきょう) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 101.713 caracteres · 205 pantallas
と、突然の火光、囂然たる銃声。やったな、じぶんだけ生きようばかりにオフシェンコを射ち……次はこの俺と思った一瞬のこと。天地も崩れんばかりの大爆音とともに……。ああ、かすかに洩れていた油層のガスに引火したのだ。
やがて、雪崩れる音が止むと、死のような静寂。折竹は、ほっとして起き上った。
と見る、なんという大凄観か※(疑問符感嘆符、1-8-77) 行手を塞いでいた塩壁がくずれ、そこから流れだしたのが原油の激流。油層! と、思うまに一筋の川となり、みるみるうち倒れているセルカークを押し流してゆく。すると、壁の割れ目をじっと見ていた折竹の目が、とつぜん、輝いてあっと馳せよったのだ。そこから、泡だつ原油とともに流れだしてきたのが、一人の女の屍体。
「ザチ、ああザチ」
彼は狂気のようにさけんだ。
大塩沙漠の覗き穴から地下へ帰った、女王ザチが美袍を着、いまは死体となって油の流れにまかせている。夢ではないか。これは一体なんということだろう。暫く茫然としてなすを知らなかった折竹が、やがて、裳裾の端をつかんでぐいと引きあげた。その、懐中からでたのが、身分証明のようなもの。