Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Lee 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 80.178 caracteres · 159 pantallas

Aozora Bunko

「おや」と彼は呟いて、左の袖へ手を入れた。

「あ」と思わず声をあげた。

袖の中には小独楽が入っていたからである。

(一体これはどうしたというのだ)

独楽を掌の上へ載せ、体を欄干へもたせかけ、主税はぼんやり考え込んだ。

が、ふと彼に考えられたことは、あやめが舞台から彼の袖の中へ、この独楽を投げ込んだということであった。

(あれほどの芸の持主なのだから、それくらいのことは出来るだろうが、それにしても何故に特に自分へこのようなことをしたのだろう?)

これが不思議でならなかった。

怪しの浪人

ふと心棒を指で摘み、何気なく一捻り捻ってみた。

「あ」と又も彼は言った。

独楽は掌の上で廻っている。

その独楽の心棒を中心にして、独楽の面に幾個かの文字が白く朦朧と現われたからである。

「淀」という字がハッキリと見えた。

と、独楽は廻り切って倒れた。

同時に文字も消えてしまった。

「変だ」と主税は呟きながら、改めて独楽を取り上げて、眼に近付けて子細に見た。

何の木で作られてある独楽なのか、作られてから幾年を経ているものか、それが上作なのか凡作なのか、何型に属する独楽なのか、そういう方面に関しては、彼は全く無知であった。