Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いせのまき

伊勢之巻

泉 鏡花

Lee 伊勢之巻 (いせのまき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.617 caracteres · 35 pantallas

Aozora Bunko

一足進むと、歩くに連れ、身の動くに従うて、颯と揺れ、溌と散って、星一ツ一ツ鳴るかとばかり、白銀黄金、水晶、珊瑚珠、透間もなく鎧うたるが、月に照添うに露違わず、されば冥土の色ならず、真珠の流を渡ると覚えて、立花は目が覚めたようになって、姿を、判然と自分を視めた。

我ながら死して栄ある身の、こは玉となって砕けたか。待て、人の妻と逢曳を、と心付いて、首を低れると、再び真暗になった時、更に、しかし、身はまだ清らかであると、気を取直して改めて、青く燃ゆる服の飾を嬉しそうに見た。そして立花は伊勢は横幅の渾沌として広い国だと思った。宵の内通った山田から相の山、茶店で聞いた五十鈴川、宇治橋も、神路山も、縦に長く、しかも心に透通るように覚えていたので。

その時、もう、これをして、瞬間の以前、立花が徒に、黒白も分かず焦り悶えた時にあらしめば、たちまち驚いて倒れたであろう、一間ばかり前途の路に、袂を曳いて、厚いを踵にかさねた、二人、同一扮装の女の童。

竪矢の字の帯の色の、沈んで紅きさえ認められたが、一度胸を蔽い、手を拱けば、たちどころに消えて見えなくなるであろうと、立花は心に信じたので、騒ぐ状なくじっと見据えた。