Clásicos japoneses con furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lee 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 203.094 caracteres · 411 pantallas
いかに燥っても狂うても、及ばぬ、及ばぬ。お身はその懐剣に手をかけてなんとする。お身はわれらの味方でないか。」
「なんの、味方……。」
両腕に取りついている怪鳥を振り払おうとして、小坂部は幾たびか身をもがいた。
「味方にならねばその身はほろぶる。侍従や采女がよい手本じゃ。」
「さてはお身が采女を殺したか。」
「わが手では殺さぬ。おのずと亡びゆく運命に導いたのじゃ。お身の父も叔父も兄弟も家来も、遅かれ速かれ皆それじゃ。お身は日頃から賢いに似合わず、なぜその道理が判らぬぞ。われらに一度魅まれて、眼に見えぬ糸につながれたが最後、いかにもがいても狂うても所詮かなわぬということがまだ覚られぬか。覚ったら速かに心をひるがえして我々の味方になられい。」
「味方……。悪魔の群れの味方になれとか。」と、小坂部は罵るように叫んだ。「忌じゃ、忌じゃ。おのれらは国の仇、親兄弟の仇、夫の仇じゃ。」
「忌じゃとて是非がない。」と、男はまたあざ笑った。「われらがこの国へ渡来した子細はもう言うて聞かせた。しかも二十年三十年の短い月日ならば知らず、二百年三百年引き続いてこの国を掻き乱そうとするには、われ一人の力では及ばぬ。