Clásicos japoneses con furigana
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はくしゃくのかんざし
伯爵の釵
泉 鏡花
Lee 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.403 caracteres · 39 pantallas
なおかくの通りの旱魃、市内はもとより近郷隣国、ただ炎の中に悶えまする時、希有の大魚の躍りましたは、甘露、法雨やがて、禽獣草木に到るまでも、雨に蘇生りまする前表かとも存じまする。三宝の利益、四方の大慶。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても心祝いに、この鯉魚を肴に、祝うて一献、心ばかりの粗酒を差上げとう存じまする。まず風情はなくとも、あの島影にお船を繋ぎ、涼しく水ものをさしあげて、やがてお席を母屋の方へ移しましょう。」で、辞退も会釈もさせず、紋着の法然頭は、もう屋形船の方へ腰を据えた。
若衆に取寄せさせた、調度を控えて、島の柳に纜った頃は、そうでもない、汀の人立を遮るためと、用意の紫の幕を垂れた。「神慮の鯉魚、等閑にはいたしますまい。略儀ながら不束な田舎料理の庖丁をお目に掛けまする。」と、ひたりと直って真魚箸を構えた。
――釵は鯉の腹を光って出た。――竜宮へ往来した釵の玉の鸚鵡である。
「太夫様――太夫様。」
ものを言おうも知れない。――
とばかりで、二声聞いたように思っただけで、何の気勢もしない。
風も囁かず、公園の暗夜は寂しかった。
「太夫様。」
「太夫様。