Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

Lee 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.403 caracteres · 39 pantallas

Aozora Bunko

」

うっかり釵を、またおさえて、

「可厭だ、今度はお前さんたちかい。」

十

――水のすぐれ覚ゆるは、

西天竺の白鷺池、

じんじょうきょゆうにすみわたる、

昆明池の水の色、

行末久しく清むとかや。

「お待ち。」

紫玉は耳を澄した。道の露芝、曲水の汀にして、さらさらと音する流の底に、聞きも知らぬ三味線の、沈んだ、陰気な調子に合せて、微に唄う声がする。

「――坊さんではないかしら……」

紫玉は胸が轟いた。

あの漂泊の芸人は、鯉魚の神秘を視た紫玉の身には、もはや、うみ汁のごとく、唾、涎の臭い乞食坊主のみではなかったのである。

「……あの、三味線は、」

夜陰のこんな場所で、もしや、と思う時、掻消えるように音が留んで、ひたひたと小石を潜って響く水は、忍ぶ跫音のように聞える。

紫玉は立留まった。

再び、名もきかぬ三味線の音が陰々として響くと、

――日本一にて候ぞと申しける。鎌倉殿ことごとしや、何処にて舞いて日本一とは申しけるぞ。梶原申しけるは、一歳百日の旱の候いけるに、賀茂川、桂川、水瀬切れて流れず、筒井の水も絶えて、国土の悩みにて候いけるに、――

聞くものは耳を澄まして袖を合せたのである。