Clásicos japoneses con furigana
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はくしゃくのかんざし
伯爵の釵
泉 鏡花
Lee 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.403 caracteres · 39 pantallas
や!」
と、慌しく身を退ると、呆れ顔してハッと手を拡げて立った。
髪黒く、色雪のごとく、厳しく正しく艶に気高き貴女の、繕わぬ姿したのが、すらりと入った。月を頸に掛けつと見えたは、真白な涼傘であった。
膝と胸を立てた紫玉を、ちらりと御覧ずると、白やかなる手尖を軽く、彼が肩に置いて、
「私を打ったね。――雨と水の世話をしに出ていた時、……」
装は違った、が、幻の目にも、面影は、浦安の宮、石の手水鉢の稚児に、寸分のかわりはない。
「姫様、貴女は。」
と坊主が言った。
「白山へ帰る。」
ああ、その剣ケ峰の雪の池には、竜女の姫神おわします。
「お馬。」
と坊主が呼ぶと、スッと畳んで、貴女が地に落した涼傘は、身震をしてむくと起きた。手まさぐりたまえる緋の総は、たちまち紅の手綱に捌けて、朱の鞍置いた白の神馬。
ずっと騎すのを、轡頭を曳いて、トトトト――と坊主が出たが、
「纏頭をするぞ。それ、錦を着て行け。」
かなぐり脱いだ法衣を投げると、素裸の坊主が、馬に、ひたと添い、紺碧なる巌の聳つ崕を、翡翠の階子を乗るように、貴女は馬上にひらりと飛ぶと、天か、地か、渺茫たる広野の中をタタタタと蹄の音響。