Clásicos japoneses con furigana
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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Lee 内蔵允留守 (くらのすけるす) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.082 caracteres · 24 pantallas
焚物の積んである小屋や、穀物の納屋、雑具小屋、その後ろは蔬菜畠で、裏手はよく手入れの行届いた梨や柿や葡萄や、梅、桃、杏子などの果樹がすくすくと枝をひろげている。地内は何処を見ても入念に除草がしてあって、迚も老人と娘の二人きりの仕事とは思えない。殊に果樹の林と母屋と納屋と畠の配置には、口に云えない美しい落着きが感じられた。……有るべき物が、有るべき場所に有るべきようにある。果樹の枝の揃え方も、畠の畝のつけようも、ゆったりと落着いていながら少しも無駄のない、統一された主人の意志をよく表現していた。――百姓というものは凄まじいものだな。虎之助は本当に「凄まじい」という感じを与えられたのであった。
それから暫くなにか考えているようだったが、やがてそこを離れると、雑具小屋の中から一挺の鍬と古びた筍笠を取出して来た、そして裾を端折り、襷を掛けてから、笠を冠って荒地の方へ出て行った。……閑右衛門老人は昨日の場所で荒地を耕していた。娘の奈美は老人が掘り返す側から、雑草を引抜いて捨てている、強くなった残暑の陽ざしに、二人ともびっしょり汗に浸っていた。
「やあ、その恰好はどうなさいました」