Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lee 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 127.035 caracteres · 254 pantallas

Aozora Bunko

声にも著しい特色があった。男の声のように強かった。

(お品のことを知っている。お篠のことを知っている。この女はいったい何者なのであろう?)

(こんな所にこんな晩に、女一人で供も連れず、何んと思って立っているのか?)

(俺に云いかけたこの女の言葉! 親切なのか不親切なのか)

新八郎は疑惑を感じながら、立ち去ることも出来ず立っていた。

四

朧月の深夜で、往来の人はなく、犬の吠え声がずっと遠くの、露路の方から聞こえて来た。お筒持ちの小身の武士達の長屋町なので、道幅なども狭かった。

新八郎の姓は小糸、年は二十八歳で、身分は旗本の次男であり、独身の部屋住みであった。当時少しずつ流行して来た蘭学に趣味を持ち、苦心して読みにかかっていた。平賀源内か、前野良沢かについて学ぼうか、それとも長崎へ行って、通辞に従い、単語でも覚えようかなどと、そんなことを考えてもいた。

五百石の旗本の伜なので、随分裕福で、わがままであった。女も好き酒も好き、それに年齢からも来ているのであろう、猟奇的の性格の持ち主であった。戸ヶ崎熊太郎の門下であって、剣道では上手の域に達してもいた。