Clásicos japoneses con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lee 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 493.291 caracteres · 991 pantallas
(まだ悪いのかしら――見えたにちがいないのに、眼の色一つ変えないで――)
と、思った。そして、小太郎に、笑いかけて
「よく、お癒りになりました」
と、枕の横へ行って、上から、なつかしそうに覗き込んだ。だが、小太郎の眼は、冷静であった。
「何しに参った」
「ええ?」
綱手は、小太郎の口調が、意外なので、はっとした。
「お前には、お前の仕事があろう。わしに、付添うていて、それが、何になる? 死ぬものは死ぬ。癒るものなら、癒る。そんな覚悟で大事がなせるか――帰れ。母上にも、そう申せ。一旦、袂を分った上は、事成就の暁まで、濫りに、小さい恩愛のためには、動きますまいと――」
綱手の方を向いて、低く、こういうと、くるりと、仰向けになって、眼を閉じてしまった。
「でも――お母様は、お兄様の生死を案じなされて――」
「たわけっ。お別れする時から、生も、死も覚悟をしておるのではないか。これが、京と、大阪の間じゃから、とにかく、もし、わしが、国許で、生死不明にでもなったなら、それでも己の仕事をすてて、国許まで、探しに戻るか。た、たわけたっ」
「はい」
「帰れっ」
義観が、襖を開けて