Clásicos japoneses con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lee 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 55.869 caracteres · 112 pantallas
香具師共ドッと押し寄せた。
以前程の元気はないのである。民弥は疲労ているのである。そこを狙って多勢の香具師共、一度に寄せて来たのである。危険だ危険だ捕らえられるかも知れない。
だがこの時声がした。
「強いぞ強いぞ侍めは! あぶないあぶない一時逃げろ!」
他ならぬ猪右衛門の声である。
つづいて右近丸の声がした。「お助けいたす、民弥殿!」
バタバタバタバタと足の音! 右近丸のために切り立てられ、逃げて来た猪右衛門の足音である。それに続いてまた足音! 猪右衛門の後を追っかけて、走って来た右近丸の足音である。
と、「ワッ」という数声の悲鳴! 民弥をグルグルと取り巻いていた香具師の群から起こったが、これは馳せ付けた右近丸が、太刀を揮って背後から、二三人を切って倒したのである。
当然香具師の円陣が崩れ、バラバラと四方へ別れたが、四ツ塚の方へ走り出した。
つと現われたは右近丸、「おお民弥殿!」
「右近丸様!」
「どこもお怪我は?」
「ございませんでした」
力が抜けたのか娘の民弥が、グッタリと右近丸へもたれるのを、胸で支えて左手で抱き、右手に握った血刀を、グーッと高くかざしたが、右近丸大音に呼ばわった。