Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lee 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 55.869 caracteres · 112 pantallas

Aozora Bunko

それだけでさえ不幸なのに、その上他国へでも売られたら、いよいよ不幸と云わなければならない。

助ける者はないだろうか?

人買共は逼って来る。

助ける者はないだろうか?

だがこの時何者だろう、家から飛び出した者がある。

例の猿若少年であった。

門口から民弥へ声をかけた。

「おい民弥さん民弥さん、往生して捕虜になるがいい。ジタバタ騒ぐと怪我をするぜ。捨てる神があれば助ける神がある。機会をお待ちよ機会をお待ちよ。宣って上げよう猿若だよ!」

ポイと往来へ飛び出したが、数十間走ると足を止め、腕組みをすると考え込んだ。

「気の毒だなあ、民弥さんは。……どうも大変なことになった。……あの人の人形を盗もうとしたり、お父さんを殺しはしたものの、本心からやったことではない。親分の指図でやった事だ。……俺らの本心から云う時は、綺麗な民弥さんは好きなのだ、人買の奴等に捕らえられ、他国へ売られては可哀そうだなあ。多勢に一人、殊には女、捕らえられるは知れている。……どうぞして助けてやりたいものだ」

この猿若という少年は、元から悪童ではなさそうである。境遇が悪童にしたようである。

そこで民弥の不幸を見るや、本来の善心が甦えり、真から民弥を助けようと、どうやら考えに沈んだらしい。