Clásicos japoneses con furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lee 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.251 caracteres · 94 pantallas
こっちには、蟹の甲羅――あの何の禁厭だか、軒に鬼の面のごとく掛ったのを読者は折々見られたであろうと思う――針を植えた赫と赤いのが、烈々たる炭火に掛って、魔界の甘酒のごとく、脳味噌と酒とぶつぶつと煮えているのに。――
「お悦さん――姉さん――私の言う事は間違ってるだろうか。」
「槙村先生にお聞きなさい。」
私は、……いまふと妙な形容をしたのに対して、言憎いが、甲羅酒を掬ってただ笑った。
「邪慳かしら、薄情か知らん、たとえば、甲羅酒のように聞こえますか。それとも雪代さんの顔……」
「可厭だ、小父さん。」
「いや、天人だよ、大したものです。茨蟹のようか、それとも、舞台で……明日着ける……羽衣の面のようか、と云うんだよ。」
「どっちでも可いから、何しろ、まあお食んなさいよ。」
「名言だなあ。」
八郎は肩をのめらした手で膝を敲いた。
「何事もこれ食うためだ。が、どっちでも可いたって、憚りながら雪代さんの顔は舐めさせもしますまい。食うとなりゃ、蟹の面だ。ぐつぐつぶくぶくと煮えて、ふう、ああ、旨しそうだ。」
と被さるように鼻を持って行ったと思うと、
「ニャーゴ!」
ああ、そこへ猫が出たかと思う、私さえ吃驚した。