Clásicos japoneses con furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lee 古事記物語 (こじきものがたり) de 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 96.723 caracteres · 191 pantallas
大神は、大国主神がふた晩とも、平気で切りぬけてきたので、よし、それではこんどこそは見ておれと、心の中でおっしゃりながら、かぶら矢と言って、矢じりに穴があいていて、射るとびゅんびゅんと鳴る、こわい大きな矢を、草のぼうぼうとはえのびた、広い野原のまん中にお射こみになりました。そして、大国主神に向かって、
「さあ、今飛んだ矢を拾って来い」とおおせつけになりました。
若い神は、正直にご命令を聞いて、すぐに草をかき分けてどんどんはいっておいでになりました。大神はそれを見すまして、ふいに、その野のまわりへぐるりと火をつけて、どんどんお焼きたてになりました。大国主神は、おやと思うまに、たちまち四方から火の手におかこまれになって、すっかり遁げ場を失っておしまいになりました。それで、どうしたらいいかとびっくりして、とまどいをしていらっしゃいますと、そこへ一ぴきのねずみが出て来まして、
「うちはほらほら、そとはすぶすぶ」と言いました。それは、中は、がらんどうで、外はすぼまっている、という意味でした。
若い神は、すぐそのわけをおさとりになって、足の下を、とんときつく踏んでごらんになりますと、そこは、ちゃんと下が大きな穴になっていたので、からだごとすっぽりとその中へ落ちこみました。