Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

こてんふう

古典風

太宰 治

Lee 古典風 (こてんふう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.400 caracteres · 21 pantallas

Aozora Bunko

」美濃は寝たままで思いきり大袈裟に背伸びした。

「いいえ、」女は上半身を起し、髪を掻きあげて、「奥様は、ご立派なお方です。あたし、親兄弟の蔭口きくかた、いやです。」

美濃はのそりと起き、ベッドの上にあぐらをかいた。ひそかに苦笑している。

「君は、いくつだね?」

「十九歳になります。」素直にそう答えて、顔を伏せた。うれしそうであった。

「もうお帰り。」美濃は、下婢のとしなど尋ねた自分を下品だと思った。

女は、マットに片手をついて横坐りのまま、じっとしていた。

「誰にも言いやしない。いいから、早く出て行って呉れないか。」

女の子には、何よりもナイフが欲しかった。光る手裏剣が欲しかった。流石に、下さい。とは言い得なかった。汗でぐしょぐしょになるほど握りしめていた掌中のナイフを、力一ぱいマットに投げ捨て、脱兎の如く部屋から飛び出た。

B

尾上てるは、含羞むような笑顔と、しなやかな四肢とを持った気性のつよい娘であった。浅草の或る町の三味線職の長女として生れた。かなりの店であったが、てるが十三の時、父は大酒のために指がふるえて仕事がうまく出来なくなり、職人をたのんでも思うようにゆかず、ほとんど店は崩壊したのである。