Clásicos japoneses con furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lee 古寺巡礼 (こじじゅんれい) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.765 caracteres · 285 pantallas
樹の種類の異なるに従って、少しずつ色の違うさまざまの若葉が、地からむくむくと湧きあがって来たように見え、まるで烈しい交響楽のように我々の感覚を圧倒してしまう。だから五分間もそれを眺めていると、人間の世界から遠く遠く離れて来たという心持ちになる。電車の通りから十町と離れていない所に、こういう閑静な隠れ場所があるという事は、昔からの京都の特長で、文芸などにもその影響が著しく認められると思う。
ここの建築は、もと五条坂の裏通りにあって、清水焼の職工の下宿屋となっていたのを、F氏が偶然散歩の途上に見つけて、ついにここに移したのだという。ひどく荒れていた柱や板を洗ったり磨いたりして見ると、実にしゃれた茶室や座敷が出て来た。屋根の鬼瓦に初代道八の作があったと言われているから、たぶん文化ごろの建築であろう。非常に繊巧なもので、すみずみまで気が配ってある。茶室のほかに座敷が二間、二階一室で、坪数はわずかであるが、廊下や一畳二畳の小間を巧みにあしらって、心理的には非常に広く感じさせるようにできている。簡素な味がないから、永くなれば飽きるかも知れぬが、しかし江戸時代の文化が最も繊細になったころの建築として、非常に興味深いものである。