Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こせんのなぞ

古銭の謎

野村 胡堂

Lee 古銭の謎 (こせんのなぞ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.885 caracteres · 26 pantallas

Aozora Bunko

右は陽子さん、左は浩一郎さん……」

南老人の耳へ左京路之助はこうささやいてくれました。

「これ陽子、何をして居るそんな泥棒猫のような男を見るものでは無い」

植込からぬっと顔を出したのは、岩丈造りの半白の老人、浩一郎をねめ廻して、陽子の手を取らぬばかり植込の方へ引き戻そうとします。

「ナニ泥棒猫? それは一体誰の事だ」

青年は思わずカッとして、手に持った鞭を握りしめます。見ると長靴に乗馬服凜々しく少し汗ばんで、今遠乗りから帰って来たばかりという形をして居ります。

「浩一郎さん、まあ、まあ」

南老人の後から降り立った左京路之助、青年の腕を掴むようにして、

「いつもの事に、腹を立ててはいけません、相手は老人と若い婦人では、喧嘩にもなりますまい」

「それは解って居りますが、あんまりあの老人は失礼な事を言います」

「まあまあ、そんな事は内輪同志で解決の出来ることです。今日は不思議な客をおつれしました、紹介しましょう。これは浩一郎君、こちらは南老人」

「初めて」

「宜しく」

「兎に角中へ入って、お茶でも入れさせましょう」

三人は本屋の裏手にある左京路之助の執事部屋へ入って行きました。