Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

たいふうのこ

台風の子

小川 未明

Lee 台風の子 (たいふうのこ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3662 caracteres · 8 pantallas

Aozora Bunko

龍夫と源吉の二人は、仲のいい友だちでした、二人は、台風が大好きなのでした。

「源ちゃん、また台風がくるって、ラジオでいったよ。いつくるかなあ、きょうの晩くるかもしれない。いまごろ二十キロの速さで、海の上を吹いているんだね、すごいだろうな。」

彼は、雨と風の荒れ狂う渺茫たる海原を想像して感歎の声を放ちました。龍夫の父親は、南洋の会社に勤めていて、その地で病死したのです。なんでも臨終のさいまで、もう一度故国へ帰りたいといっていたことが、会社の友だちの便りで知らされると、

「きっと、お父さんの魂は、風に乗って帰ってきなさるだろう。」と、龍夫の母親は、いいました。彼の耳には、いつまでもその言葉が、消えずに残っていました。それで、台風の日には、かならず父親の魂が、飛ぶ雲と風に乗ってくるものと信じていました。

「台風は生きているってね。」

「ああ、僕の兄さんもそういっていた。」

「風が、ほんとうに生きているのかしらん。」

「目もあるし、口もあるし、尾もあるというから、生きているのさ。」

源吉が、こういうと、龍夫は、喜ばしげに目を輝かして、

「口もあるの?」と、ききかえしました。