Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 220.431 caracteres · 428 pantallas
飛び出しそうにすると、だが、右門の忘れていたというその忘れごとは、少し意外な方面でありました。
「違うよ、違うよ。さっきからどうも何かだいじな忘れ物をしているように思ったから、いっしょうけんめいああやって廊下を歩きながら考えていたんだが、よく考えてみりゃ、おら、おなかがへっているよ」
人を食ったことに空腹だといったものでしたから、出鼻をくじかれて、伝六が当然のごとくに鳴りだしました。
「ちえッ、冗談も休み休みおっしゃいよ! ほんとうにあきれただんなだね。まじめくさって、おなかがすいてるたあなんのことです。だんなのおなかは、身の内じゃねえんですか!」
しかし、右門はようように重大事件を思いついたというような顔つきで、至極きまじめにいいました。
「おこったってしかたがないよ、おれがすきたくてすくんじゃねえ、おなかのほうがかってに減ってくるんだからね。大急ぎでなにかこしらえておくれよ」
「知りませんよ。いくらかってにおなかのほうから減ってくるにしたって、他人のものならだが、お自分の身の内なんだからね。なにもそんなことわざわざ碁盤を持ち出してみなくっても、わかりそうなもんじゃござんせんか」