Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 220.431 caracteres · 428 pantallas
それから、べっとりと血がまだたれたままで。――
けれども、じっと見つめているうちに、右門ははっと思いました。血が新しい割合にしては首が古い! だのに、首が古い割合にしては腐乱が見えない! 四月というこの陽気ですから、かりに腐乱が来ないにしても、もうにおいぐらいはついていなければならないはずですが、古い首なのに、それすらもないのです。
「はてな!」
と思いましたから、右門はぶきみなことをも忘れながら、かまわずに指先をもってその首の面をなであげました。と――なにかねっとりとした湿気を感じましたから、さらにひるむことなく首に触れたその指先をくちびるにあててみると――塩っ辛い! まるで、口がゆがむほど塩っ辛いのです! 右門はすかさずにお奉行へ問いただしました。
「これなる首は、当ご番所へ参りましてから塩づけになされたのでござりまするか」
「なに、塩づけ……? そのような形跡があるとすれば少しく奇怪じゃが、いずれもそれらは小田切殿持参されたままの品じゃぞ」
持参のままの品と聞きましたから、右門の明知は瞬時にさえ渡って、瞬間に断案を下しました。首は拾いものか買いものか、いずれにしても塩づけの骨董品をほかから求めきたったものに相違ないのです。