Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lee 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 220.431 caracteres · 428 pantallas

Aozora Bunko

の口からは驚きの声が上がりました。同時に気がついて見まわすと、まことに奇怪とも奇怪! 血を吸った長槍はそこに投げ出されてありましたが、いつ消えてなくなったものか、いるべきはずの清正と妓生の姿が見えないのです。

事件は当然のごとく騒ぎを増していきました。むろん、もうこうなればお花見の無礼講どころではないので、遺恨あっての刃傷か、あやまっての刃傷か、いずれにしても問題となるのは槍を使った清正にありましたから、そこに居合わした六、七人の同役たちが血相変えて、舞台裏に飛んではいりました。こととしだいによったら、与力次席の重職にある坂上与一郎といえどもその分にはすておかぬというような力みかたで――。

しかし、事実はいっそう奇怪から奇怪へ続いていたのです。坂上与一郎もその娘の鈴江も、舞台裏にいるにはいましたが、まことに奇怪、いま清正と妓生に扮したはずの親子が、それぞれじゅばん一つのみじめな姿で、厳重なさるぐつわをはめられながら、高手小手にくくしあげられていたのでしたから、血相変えて駆け込んでいった一同は等しく目をみはりました。しかも、親子の口をそろえていった陳述はいよいよ奇怪で、なんでもかれらのいうところによると、扮装をこらして舞台へ出ようとしたとき、突然引き入れられるように眠りにおそわれてそのまま気を失い、気がつい