Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.558 caracteres · 480 pantallas
いかに二三春がとち狂ったにしても、ほれてほれてほれぬいた男の小指を食いちぎるはずあねえですぜ」
「うるせえや。死人に口がありゃ、こんな苦労はしねえんだ。黙ってついてきな」
どんどんはいっていくと、ちょうど幕のあいていたのをさいわい、土間の片すみからその鋭いまなこを送って、おりから水芸所作事に踊り舞っている江戸五郎の両手の先をじっと見調べました。しかし、あるのです。右にひるがえし、左に返す両手には、いずれも五本の指が満足にあるのです。
と見るや、名人はどんどんまた引っ返していって、大坂下り若衆歌舞伎と大のぼりの上がった嵐三左衛門の小屋の中へ、かまわずに押し入りました。ここはまえと違って、いかさま、江戸のお盆人気をひとりで占めているらしく、わんさわんさの大入り繁盛です。しかも、舞台にきらびやかな大身の槍を擬しながら、槍六法を踏んでいたのは、まぎれもない座頭嵐三左衛門でした。
「へへえね。ちっとのっぺりして間のびがしているが、嵐の三公なかなかいい男じゃござんせんかい。ちくしょうめ、おれに断わりもなく、江戸の娘っ子がうだるほど来ていやあがらあ。いささかくやしいね」