Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 221.941 caracteres · 435 pantallas
「だれも疑うているといやあせぬわ。ただきいているまでじゃ。では、なんじゃな。その後この蔵には手をつけないのじゃな」
「へえい。こんなふうにだんなさまのお出ましを願うようにならばと存じまして、そのままにしておいたのでござります」
「しからば、吉原へ持参の五千両はどこから出しおった」
「向こうにもう一つ、ないしょ倉がござりますゆえ、そちらから持ち出したのでござります」
まことにそれが事実ならば、およそいぶかしい三千両といわねばなりませんでしたから、始終を聞いていて、とても不思議でたまらぬように、例のごとく口をさしはさんだのはあいきょう者の伝六です。
「どうもこりゃ天狗のしわざかもしれませんぜ。錠にもかぎにも異状がねえっていうのに、中の三千両が羽がはえて、弥吉の野郎のまくらもとに飛んでいっているなんて、どうしてもこりゃ天狗のいたずらですよ。久しく江戸に出たといううわさを聞かなかったが、陽気にうかれて二、三匹鞍馬山からでも迷い出たんでしょうかね」
「うるせえ! 黙ってろ。では、もういいから、戸をあけてみな」
カチリ、ガチャリとやって、ガラガラと締め戸を押しあけながら、一同が人形大尽のあとに従って蔵の中へはいろうとしたそのとたん――