Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.105 caracteres · 337 pantallas
突き当たって右へ折れると、舟のはいっていったところがまたいかにも奇怪でした。寺のようにも見えるのです。お宮のようにも見えるのです。見ようによっては御殿のようにも見えるのです。その不思議な建物の中へ、右の水門から一艘、左の水門から一艘というふうに、時をおいては順々に姿を消しました。
「はてね。お待ちなさいよ」
しきりと首をひねっていたが、たまには伝六も金的を射当てることがあるのです。
「あれだ、あれだ、この建物アたしかにお富士教ですよ」
「えらいことを知っているな。どこで聞いたんだ」
「七つ屋ですよ。質屋のことをいや、だんなはまたごきげんが悪くなるかもしれねえが、床屋と質屋と銭湯と、こいつア江戸のうわさのはきだめなんだ。こないだ一張羅を曲げにいったとき、番頭がぬかしたんですよ。世間が繁盛すると、妙なものまでがはやりだすもんです。近ごろ本所のお蔵前にお富士教ってえのができて、たいそうもなく繁盛するという話だがご存じですかい、とぬかしたんでね。御嶽教、扶桑教といろいろ聞いちゃおるが、お富士教ってえのはあっしも初耳なんで、今に忘れず覚えていたんですよ。本所のお蔵前といや、ここよりほかにねえんだ。