Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lee 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.105 caracteres · 337 pantallas

Aozora Bunko

しかも、その秘密の長い尾につながっていた三之助も、あの目、あのいろ、あの様子では、どこに一つ疑わしいところはないのでした。なぞの雲は、はてしもなく深くなったのです。

考え迷い、考え迷って、いつどこを歩いたとも知らないように歩いてきた名人は、ぴたりとそこの和泉橋の上に立ち止まると、くぎづけになったようにたたずんだまま、しんしんとまた考えこみました。

6

夜もまたまったくふけ渡って、星もいつのまにか消えたか、深夜の空はまっくらでした。

影もない。音もない。思い出したようにざわざわと吹き渡る川風が、なまあったかくふわりふわりと、人の息のようにえり首をなでて通りました。

遺恨あってのしわざか? いたずらか……?

それすらもわからないのです。つかみどころがないのです。

思い出したように、また川風がふわりふわりとなでて通りました。あざけるように橋の下で、びちゃびちゃと川波が鳴りました。

名人はしんしんと考えつづけたままでした。

考えているうちに、しかし、名人の手はいつのまにか、そろりそろりとあのあごをなではじめました。――せつなです。

「アハハハ。なんでえ、つまらねえ。