Clásicos japoneses con furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lee 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.584 caracteres · 59 pantallas
山登りがじょうずで、城山を駆け回るなどまるで平地を歩くように、道のあるところ無い所、サッサと飛ぶのです。ですからこれまでも、田口の者が六蔵はどこへ行ったかと心配していると、昼飯を食ったまま出て日の暮れ方になって、城山の崖から田口の奥庭にひょっくり飛びおりて帰って来るのだそうです。木拾いの娘が六蔵の姿を見て逃げ出したのは、きっとこれまで幾度となくこの白痴の腕白者におどされたものと私も思い当たったのであります。
けれどもまた六蔵はじきに泣きます。母親が兄の手前を兼ねておりおりひどくしかることがあり、手の平で打つこともあります、その時は頭をかかえ身を縮めて泣き叫びます。しかしすぐと笑っているさまは、打たれたことをすっかり忘れてしまったらしく、これを見て私は、なおさらこの白痴の痛ましいことを感じました。
かかるありさまですから、六蔵が歌など知っているはずもなさそうですが、知っています。木拾いの歌うような俗歌をそらんじて、おりおり低い声でやっています。
ある日私は一人で城山に登りました、六蔵を連れてと思いましたが、姿が見えなかったのです。
冬ながら九州は暖国ゆえ、天気さえよければごく暖かで、空気は澄んでいるし、山登りにはかえって冬がよいのです。