Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lee 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.286 caracteres · 301 pantallas

Aozora Bunko

甚内の喧嘩の得手

これには当然な理由があった。というのはその師匠が、千葉周作だからであった。

千葉道場へ入門してから、すでに三月経っていた。

初め敵討ちの希望をもって、千葉道場を訪ずれて、武術修行を懇願するや、周作はすぐに承知した。

「どうやら話の様子によると、富士甚内というその人間、武術鍛練の豪の者のようだ。ところでお前はどうかというに、以前は馬方今は水夫、太刀抜く術も知らないという。ちとこれは剣呑だな。なかなか武術というものは、二年三年習ったところで、そう名人になれるものではない。しかるに一方敵とは、いつなん時出逢うかもしれぬ。今のお前の有様では返り討ちは必定だ。……そこでお前に訊くことがある。どうだ、喧嘩などしたことがあろうな?」

「へえ」といったが甚内は、びっくりせざるを得なかった。「喧嘩なら今でも致しますので。馬方船頭お乳の人と、がさつな物の例にある、その馬方なり船頭なりが、私の稼業でございますので。」

「そこで喧嘩は強いかな?」

「へえ」といったが甚内は、いよいよ変な顔をした。「強いつもりでございます」

「得手は何んだな? 喧嘩の得手は?」