Clásicos japoneses con furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Lee 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 8082 caracteres · 17 pantallas
このイビキはまがう方ないホンモノだ。もうこうなったらオタツの奴、つねっても、ぶっても、目をさますものではない。
シシド君がイビキをかきかき唐紙をあけて忍びこんで来やしないかとマンジリともしないうちに、夏の夜が明けはじめた。
「ヤレ、イノチ拾いをしたか」
と、ドロボー君、ソッと唐紙をあけてのぞいてみると、シシド君、狸ねいりどころか、オタツよりももっと深々と熟睡しているではないか。
実にもうダラシのない寝姿。胴体も手も足もめいめい思い思いに不可解きわまる曲線をえがき、鼻からはチョーチン、口からは三原山の熔岩のようにおびただしいヨダレをながしている。こんなに完ペキに威厳のない寝姿というものが、めったに見られるものじゃない。
「ウームこのダラシない男を一番怖れてマンジリともしなかったのか」
と考えると、はりつめた気がゆるんだか、バカバカしいと思う代りに、なんとなくゾクゾクッと寒気を感じたのである。
この男といいオタツといい何たるフテブテしい神経であろうか。自分だけ一人とりのこされたように、やるせない孤独を感じたのである。
「ヒョッとすると、オタツをこの男にとられるぞ」