Clásicos japoneses con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lee 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 190.554 caracteres · 381 pantallas
谷山は、無論彼等を焼き殺してしまう積りだったのだ。
人々は、恒川警部の肩の力に感謝しなければならない。ドアがあんなに早く破れなかったら、もっとひどい目に会っていたに違いないからだ。
一同は無我夢中で門外に走り出た。幸い、誰も怪我をしたものはない。
振り返ると、工場の窓という窓から、黄色い煙が吹き出している。
「どうしたのです。あの煙はなんです」
見張り番を勤めていた二人の刑事が駆け寄って、一同に呼びかけた。
「放火だ。犯人はどうした。谷山は、三谷は、あいつを捕えたか」
恒川氏が息せききって、呶鳴り返した。
「イイエ、誰も出て来ません。裏口じゃありませんか」
刑事が答える。
「よし、君達はここを動いちゃいけない。じっとしているんだ。そして、どんな奴であろうと、人間の形をしたものが出て来たら、有無をいわせず引くくるのだ」
恒川氏は、いい捨てて、単身裏口へと走って行った。
だが、裏口の刑事も同じ答えだ。誰も工場から逃げ出した者はない。
不思議だ。火の手はすでに工場全体に廻った。この火焔の中に、どうして潜伏していられるものか。
兎角する内に、火事場の混乱が始まった。