Clásicos japoneses con furigana
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とらわれびと
囚われ人
豊島 与志雄
Lee 囚われ人 (とらわれびと) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.109 caracteres · 35 pantallas
もっと景気のいいものを出せよ。
時彦はにっこり笑って、時計を両の掌に包みこみ、その掌を開くと、まるで奇術のように、時計は沢山の小さな丸い玉になっていた。半透明の丸玉で、恰も真珠のようだ。それを彼は、卓上にざーとあける。
時彦――食べてみろ、うまいから。その代り、断っておくが、これを食べると、なかなか眠られなくなる。それでもいいか。
酒太郎――いいとも、どうせ夜明しだ。
一同は真珠めいた菓子に手を出し、かじってみる。うまいうまい、という歎声。そして酒を飲み始める。酒太郎はなお、酒の小瓶を幾つも出して、皆に勧める。一同ラッパ飲みをする。
間。
次第に酔いが廻ってくる。手当り次第に、酒を飲み、煙草をふかし、真珠菓子をかじり、蜂蜜まで嘗める。――その乱雑な光景を、議一は少しわきの方に突っ立ったまま、茫然と眺めている。
愛子――あんた、そんなところに突っ立ったきりで、どうしたのよ。ばかみたい。こっちい来て、仲間にはいりなさいよ。構わないわよ。
議一はおずおず近寄って、酒盛の仲間にはいる。そして彼一人だけ、椅子に腰を下す。
煙吉――少し動きたくなった。歌でもうたいたくなった。