Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だんのうらのおにび

壇ノ浦の鬼火

下村 千秋

Lee 壇ノ浦の鬼火 (だんのうらのおにび) de 下村 千秋 (しもむらちあき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 7170 caracteres · 15 pantallas

Aozora Bunko

」

そこで、法師をはだかにして、ありがたい、はんにゃしんきょうの経文を、頭から胸、胴から背、手から足、はては、足のうらまで一面に墨くろぐろと書きつけました。そしてまた、着物をきせて、お坊さんは、

「わしは、まもなくでかけるが、おまえはいつものえんがわにすわっていなされ。やがて、れいの武士が来て、おまえの名をよぶだろうが、おまえは、どんなことがあっても、だんじて返事をしてはならぬ。万一返事をしたなら、おまえのからだは、ひきさかれてしまうのだ。また人のたすけをよんでもならぬぞ。だれもたすけることはできぬのだからな。そうして、おまえがりっぱに、わしのいいつけをまもりおおせたなら、もう、おまえのからだから、危険なことは消えさってしまう。おまえはもう、おそろしいまぼろしを、見ないようになるのじゃ。」

と、ねんごろにいってきかせました。

五

法一は、いいつけられたとおりに、えんがわにすわっていました。と、いつもの時刻がきて、いつもの武士が、裏門からはいって来ました。

「法一。」

しかし、法一は息を殺していました。

「法一。」

二どめの声は、おどすように聞えました。