Clásicos japoneses con furigana
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へんじんでん
変人伝
佐々木 邦
Lee 変人伝 (へんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.178 caracteres · 21 pantallas
君のところは自分の地所だし、島崎君のところよりもグッと広い」
「それは困るよ」
「嬶天下じゃないと今言ったろう? それじゃ友情がないのか? 君の考え一つで何うにでもなるのに」
「しかし元来庭に出来ているんだから」
「友人よりも庭が大切か? そんな奴はもう来てくれなくても宜い。家へ帰って、庭の松の木と碁を打て」
と叔父は菊池さんに食ってかゝった。僕は側で聞いていて呆れ返った。自分の叔父ながら何という分らず屋だろうと思って恥かしくなった。
島崎さんはお詫びが叶ったけれど、馬鹿を見たのは仲裁人の菊池さんだった。半年ばかり玄関払いを食い続けた。それでも気を練らして訪ねて来てくれた。
「こんなことは度々あるんです」
と言っていた。貴い友情だった。
或晩、叔父の家へ泥棒が入った。僕は無論気がつかなかったが、叔父が翌朝発見したのだった。調べて見たら、彼方此方の部屋を探し廻った形跡があった。しかし書物の外に何もない家だから、一物も掠めようがなかった。それにも拘らず、叔父は非常に狼狽して、僕を竹内さんのところへ走らせた。竹内さんは直ぐ来てくれた。
「君、泥棒が又入ったら何うしよう?」