Clásicos japoneses con furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lee 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 76.558 caracteres · 153 pantallas
当世の学問をした人は或は笑われるかも知れぬが、しかし……。
楽器というものの音が、どんなに深く人の心を捉えるものであるかということを、本当に理解しておられる人は私の言葉を信じて下さるであろう。
そう思うと私は胸が一パイになる。
今から百年ばかり前のこと京都に音丸久能という人がいた。
この人はもとさる尊とい身分の人の妾腹の子だという事であるが、生れ付き鼓をいじることが好きで若いうちから皮屋へ行っていろいろな皮をあつらえ、また材木屋から様々の木を漁って来て鼓を作るのを楽しみにしていた。そのために親からは疎んぜられ、世間からは蔑すまれたが、本人はすこしも意としなかった。その後さる町家から妻を迎えてからは、とうとうこれを本職のようにして上つ方に出入りをはじめ、自ら鼓の音に因んだ音丸という苗字を名宣るようになった。
久能の出入り先で今大路という堂上方の家に綾姫という小鼓に堪能な美人がいた。この姫君はよほどいたずらな性質で色々な男に関係したらしく、その時既に隠し子まであったというが、久能は妻子ある身でありながら、いつとなくこの姫君に思いを焦がすようになった揚句、ある時鼓の事に因せて人知れず云い寄った。