Clásicos japoneses con furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lee 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.606 caracteres · 97 pantallas
「ああ恵むとも、時々はな。つまりナンダ罪ほろぼしのためさ」
「でも一座の連中で、お前のことを悪く云う者は、それこそ一人だってありゃアしねえよ」
「それは俺らが座主だからだろう」
「ああそれもあるけれどね……」
「うっかり俺の悪口でも云って、そいつを俺に聞かれたが最後、首を切られると思うからさ」
「ああそいつもあるけれどね……」
「それより他に何があるものか」
「金を貸すからいい親方だと、こうみんな云っているよ」
「アッハハハ、そうだろう。その辺りがオチというものだ。ところでそういう人間のことだ、俺が金を貸さなくなったら、今度は悪口を云うだろうよ」
「ああそりゃあ云うだろうよ」トン公は直ぐに妥協した。それが「爺つあん」には可笑しかったか面白そうに笑ったが、
「トン公、お前は正直者だな。だから俺はお前が好きだ」
「ううん、何だか解るものか」それでもトン公は嬉しそうに笑った。
「うんにゃ、俺はお前が好きだ。その剽軽な巾着頭、そいつを見ていると好い気持になる」
「何だ俺らを嬲るのけえ」トン公は厭な顔をした。
「怒っちゃいけねえいけねえ。本当のことだ、なんの嬲るものか。それはそうと、なあトン公、お前は随分苦労したらしいな」