Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lee 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.606 caracteres · 97 pantallas

Aozora Bunko

しかし捕物そのものは、まことに簡単に行なわれた。

即ち伊庭八郎一派の者が、三味線の音の絶えると同時に、毛脛屋敷へ乱入するや、浪士の群は狼狽し、逃げようとして犇めくところを、あるいは斬り、あるいは捕縛し、その物音に驚いて、地下室にいた源太夫一味が、周章てて遁がれようとするところを、これも斬ったり捕えたりして、一人のこさず狩取った迄であった。

その結果お錦と小堀義哉とは、命を助かることが出来た。

香具師の親方「釜無しの文」だけは、ちょうどそこに居なかったので、これも命を助かった。

24

その夜の明け方小堀義哉は、自分の屋敷へ帰って来た。そこで盗難の話を聞いた。これという物も盗まれなかったが、お錦から預かった不思議な手箱を、一つだけ盗まれたということを、小間使のお花から耳にした。

「ふうむそうか、ちょっと不思議だな」

義哉は小首を傾けた。「金も取らず衣類も盗まず、手箱を奪ったというのには、何か理由がなければならない」

しかし彼には解らなかった。

「お錦殿には気の毒だが、打ち明けるより仕方あるまい」

で、お錦の来るのを待った。しかし翌日も翌々日も、お錦の姿は見えなかった。