Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lee 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 368.567 caracteres · 720 pantallas

Aozora Bunko

「まだかい」

仏頂寺弥助が渋面をつくると、丸山勇仙は、前と同じように首を横に振り、

「其ノ荊州ヲ破リ、江陵ヲ下リ、流レニ順ツテ東スルヤ、舳艫千里、旌旗空ヲ蔽フ、酒ヲソソイデ江ニ臨ミ、槊ヲ横タヘテ詩ヲ賦ス、マコトニ一世ノ雄ナリ、而シテ今安クニカ在ル哉、況ンヤ吾ト子ト江渚ノホトリニ漁樵シ、魚鰕ヲ侶トシ、麋鹿ヲ友トシ、一葉ノ扁舟ニ駕シ、匏樽ヲ挙ゲテ以テ相属ス、蜉蝣ヲ天地ニ寄ス、眇タル滄海ノ一粟、吾ガ生ノ須臾ナルヲ哀ミ、長江ノ窮リ無キヲ羨ミ……」

そこで、丸山勇仙が、一種の反抗的昂奮を催してきました。

反抗的とはいうが、何が反抗だかわからない。ただ、むやみに一種の昂奮を催してきたらしい。

しかし、仏頂寺弥助が耳錠を取った時分には、尺八の音は止んでおりました。

「あ、助かった」

ホッと息をついた時に、丸山勇仙が、

「君は、それほど尺八がいやなのかい」

「尺八と、木魚だ、あれを聞かされると、ほとんど生きた空は無い」

「不思議だね」

「いやといったって、嫌いじゃないんだね、虫が好かない、というでもないのだね、そうだ、怖いんだ、むしろ一種の恐怖を感ずるのだ」

「へえ、尺八と、木魚を聞いて、恐怖を感ずるという人をはじめて見た」