Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lee 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 368.567 caracteres · 720 pantallas
暫くあって、息をしずめたお雪が、哀求するように言いました、
「ねえ、先生、当分、あの尺八はお吹きにならないようになさいましな」
「それは、どうして」
「でも、なんだか、気味の悪い人が来ていますもの」
「そうだ、このごろになって誰か来たようだが、なにかい、どんな人だい」
「どうも何だか、人を探しに来たような人たちですから御用心なさいませ、その御用心のために、笛はお吹きにならない方がよかろうと思います、そうして、わたしなんぞも、なるべく姿を見られないようにしていようと思いました」
「なるほど、いまごろになって、ここへ来るような奴は怪しいね」
「それでも、明日はお帰りなさるような模様でございます」
「では、その連中の帰るまで、笛を吹くことはやめにしようかな」
「そうなさいまし……それから先生、昨晩は夢をごらんになりましたね」
「夢なんぞは毎晩のように見るよ、昨晩に限ったことはありません。そら、明るい目で物が見えないだろう、だから、物を見ないで、夢を見るのが本職のようなものさ」
「そうおっしゃればそうかも知れませんねえ。いったい、どんな夢をごらんなさるの」
「どんな夢といって、夢のことだから、とりとまりはないのさ。