Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lee 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 368.567 caracteres · 720 pantallas
「な、なにを言うのです」
弁信としては珍しく、唇をわななかせながらピグミーの言葉を聞きとがめると、ピグミーがせせら笑って、
「ホンとにおどかしちゃいけないよ、弁信さん、お前の身体が二つに割れてらあ」
「え」
「そらそら、肩から胸へかけて、すっと糸を引いたように二つに割れて、そこから絹糸のような血が流れていらあ」
「有難う、私も、そんなことだろうと思いました、拭きましょう」
いったん、驚かされた弁信が、静かに懐中へ手を入れて、真赤に染った白布を引き出しながら、
「どうも折々、こういうことがあって困ります、いいえ、別段に痛むのなんのというのではございませんが……それはそうとしまして、今のその鈴慕の曲ですな、出過者の私は、鈴慕の曲を聞かせていただくごとに、堪能の方々にこれをお尋ねを致してみたのでございます、いったい鈴慕の曲は、どなたの御作曲で、どういう趣を御表現になったのでございますか、そのお方は、その時代は――と生意気千万にも、繰返し繰返しておたずねを致してみましたが、不幸にして、どなたも私のために、明快な御返事を与えて下さる方がございませんでした。ただ伝来の本曲がこうと教えられているから、この手を吹いているのみだ――とこう御返事になるのが常でございました。