Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lee 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 319.771 caracteres · 617 pantallas
「それはまた桁が大きいなあ、何万はいいが、何百万は事が大きいぞ」
「まあ、お聞きなさい、決して夢じゃありませんから」
ここまで、立ち姿、襖越しで話しかけていたお絹が、ずかずかと入りこんで来て、神尾の火鉢の前へ坐り、無雑作に白い手をさしのべて神尾の拳にさわるほど、親密に意気ごんで話を持ち込みました。
七十二
お絹は白い手を火鉢の前にかざして、神尾の手をなぶるような仕草をしながら、
「ねえ、あなた、小栗上野様を御存じ?」
「何だい、また人別が変って来たな、今は駒井能登の戸籍しらべだが、今度は小栗上野と変って来た!」
「小栗様、御存じなの?」
「知ってるよ。知ってると言ったところで、親密という間柄ではないが、若い時はおたがいに見知り越しだ」
「では、もう一つ、勝安房様を御存じ?」
「勝――それは知らん」
「小栗上野様と、勝安房様と、どっちがおえらいの?」
「小栗と、勝と、どっちがえらい? とわしに聞くのか。変な質問を出したもんだなあ。いったい、お前が今日に限って、そんな柄にもないことを聞き出す、その了見方から聞きたい」
「まあ、いいから、わたしの質問だけに答えて頂戴――わけはあとでお話しするから。