Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lee 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 264.133 caracteres · 524 pantallas
「あれが……」
と言って主膳は、その目を細くして、わざとらしい不審の色を浮ばせました。
そのわざとらしい不審の色が、険しい眼の中へ隠れて行く時に、ハタと膝を拍った神尾主膳はなぜか、
「はははは」
と、そんなに高くはなかったけれど、四辺の人を驚かすほどに笑いました。それは皮肉と陰険と、そのほかに、これらの人物によく現われる、得意と侮蔑とを裏合せにしたような笑い方であります。
そのうちに太田筑前守の老夫人が、また前の日のように多くの女中を連れて、婦人席の第一の桟敷へ来ました。
第一の桟敷、第二の桟敷というけれども、それは長い一棟で、金屏風を以て仕切られてあるのみです。
老夫人の一座が、そこへ席を占めて後に、その召しつれた人々によって囁かれたのは、第二番の桟敷の客のことでありました。
それらの婦人たちが、姦しく物を言い、或いはワザとらしく囁くのが、金屏風で隔てられた次の桟敷へはよく響くのであります。駒井と言い、能登守と言い、それから指を出したり手真似をしたりする模様まで、手にとるようにわかるのであります。
第二の桟敷に来て噂の種となっている美しい姿は、それは、お君の方であったことは言うまでもないのであります。