Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lee 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 242.044 caracteres · 477 pantallas

Aozora Bunko

よっぽど不思議な囃子でございます」

「しかし、さほど遠いところでもないようだが」

「左様でがす、どこで聞いても同じように聞えるんで。三里遠くで聞いても、五里遠くで聞いても、あのくらいに聞えるんでがすよ。お化けか、そうでなければ天狗様のいたずらでがんしょう」

「お前は、それを調べてみましたか」

「いいえ、そういうことはしてみましねえ」

「さまで遠くはないようだ」

九

けれども、響きがあって物のないという道理はありますまい。これをお化け囃子と名づけ、天狗のいたずらと怖れてしまうのは、それを究める人に、究めるだけの勇気と根気とがないせいでありましょう。

現に、陣馬、和田、熊倉、生藤の間に囲まれた谷の中に、篝を焚いて、カンラカンラと鼓を打ち、ヒューヒューヒャラヒャラと笛を吹いている一団があるのであります。

ここに篝を囲むほどの連中が、みな仮面をかぶっている。鼓を打ち、笛を吹き、鉦を鳴らすものも、みな仮面をかぶっている。その仮面は、ありふれた里神楽の仮面もあれば、極めて古雅なる伎楽の面に類したのもあるが、打見たところ、篝の周囲に集まるほどのものが、一人として素顔を現わしたのはありません。