Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

きかいなさいかい

奇怪な再会

芥川 竜之介

Lee 奇怪な再会 (きかいなさいかい) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.996 caracteres · 43 pantallas

Aozora Bunko

」

「まあ、なったらなった時の事さ。」

牧野は葉巻の煙の中から、薄眼に彼女を眺めていた。

「嚊の事なんぞを案じるよりゃ、お前こそ体に気をつけるが好い。何だかこの頃はいつ来て見ても、ふさいでばかりいるじゃないか?」

「私はどうなっても好いんですけれど、――」

「好くはないよ。」

お蓮は顔を曇らせたなり、しばらくは口を噤んでいた。が、突然涙ぐんだ眼を挙げると、

「あなた、後生ですから、御新造を捨てないで下さい。」と云った。

牧野は呆気にとられたのか、何とも答を返さなかった。

「後生ですから、ねえ、あなた――」

お蓮は涙を隠すように、黒繻子の襟へ顎を埋めた。

「御新造は世の中にあなた一人が、何よりも大事なんですもの。それを考えて上げなくっちゃ、薄情すぎると云うもんですよ。私の国でも女と云うものは、――」

「好いよ。好いよ。お前の云う事はよくわかったから、そんな心配なんぞはしない方が好いよ。」

葉巻を吸うのも忘れた牧野は、子供を欺すようにこう云った。

「一体この家が陰気だからね、――そうそう、この間はまた犬が死んだりしている。だからお前も気がふさぐんだ。その内にどこか好い所があったら、早速引越してしまおうじゃないか? そうして陽気に暮すんだね、――何、もう十日も経ちさえすりゃ、おれは役人をやめてしまうんだから、――」